日本人の食事摂取基準

栄養素

 

 

栄養素に関しては、その摂取不足の程度を判断する為の指標として、推定平均必要量を算定しています。しかし、推定平均必要量だけでは実際の活用の面からすると、十分だとはいえません。そこで、推定平均必要量を補助するために推奨量を算定しています。

 

また、栄養素の中には、推定平均必要量と推奨量が設定できないものがあり、これらについては目安量を設定しています。摂取不足に関する指標は、これらの3種類です。過剰摂取による健康障害を未然に防ぐために設定された指標は耐容上限量です。

 

しかし、まだ十分な科学的根拠が得られずに、設定を見送った栄養素もあります。その一方で、生活習慣病の一次予防のために食事摂取基準を設定すべき栄養素もあります。しかしながら、それらについての研究の数や質は、現状では十分とは言えません。

 

そこで、これらの栄養素に関しては、生活習慣病の一次予防を目的とした、現在の日本人が当面の目標とするべき摂取量としての指標を設定しました。この数値を目標量と呼んでいます。

 

実際の活用の手順としては、不足に関する指標と過剰に関する指標を最優先にして、それらに問題のないことが確認できたら、生活習慣病の一次予防へと進むことを推奨します。また、栄養素の中でも、それに関する健康障害の発生確率や程度をよく考えた上で、優先順位を考え活用してもらいたいと思います。