日本人の食事摂取基準

エネルギー

 

 

一般的に、成人の場合、体重を維持するためには、ある一定量のエネルギーを摂取することが必要です。その量を下回った場合には、体重が減少し痩せ、たんぱく質やエネルギー栄養失調症をもたらし、逆に上回った場合には、体重の増加と肥満を招くことになります。

 

エネルギー摂取量とエネルギー消費量とが、バランスよく釣り合っていて、体重に変化が見られない状態が最も理想的なエネルギー摂取状態と考えることができ、この時の摂取量をエネルギー必要量と呼ぶことにしています。

 

自由に日常生活を送っている健康な人のエネルギー消費量を測定する標準的な方法は二重標識水法です。日本人に関しては、まだ十分なデータが得られていませんが、諸外国のデータを参考にしつつ、日本人における測定値を中心にエネルギー必要量を算定するようにしています。

 

しかし、個人に必要なエネルギーを正確に測定することは出来ないため、あくまでも推定値に留まることになります。この値を推定エネルギー必要量と呼び、この値を設定することにしています。

 

また、推定エネルギー必要量は、性別や身体活動レベルによって異なるため、これらのカテゴリーで分類した推定エネルギー必要量を設定することにしています。真のエネルギー必要量は測定が困難であるため、推定エネルギー必要量はその代わりに使用される値であり、あくまで個人の参考の基準となる数値です。