日本人の食事摂取基準

基本的な考え方

 

 

日本人の食事摂取基準の策定は、前回の方針を踏襲しつつも、出来る限り科学的根拠に基づき国内外の学術論文や学術資料を最大限に活用して行われています。その策定は次のような基本的な考え方によって行われています。

 

健康障害に関しては、エネルギーや栄養素摂取量の欠乏症もしくは摂取不足に起因するものだけではなく、その過剰にも起因します。また、生活習慣病の予防に栄養素摂取量の多少が関係することがあります。したがって、エネルギーならびに栄養素摂取量の基準は、これらのことに対応できるものである必要があります。

 

エネルギーおよび栄養素の望ましいとされる摂取量は、現実的には個人によって異なり、また個人においても変動があるものです。したがって、絶対的に望ましいとされる摂取量は測定することも算定することも出来ないため、あくまでも確率論的な考え方によって摂取量は算定されることになります。

 

また、各方面の栄養関連業務に活用されることを目標として、その基礎的な理論を策定の基礎理論と活用の基礎理論とに分けて記述しています。とくに、活用の基礎理論に関しては、食事の改善や給食の管理を目的とした食事摂取基準の基本的な概念や、活用する際の留意点などを記しています。